クリンソウ(サクラソウ科)Primula japonica
- クリンソウは日本固有種とされ、比較的冷涼な湿地に自生するサクラソウの一種。5月初旬から6月初旬にかけて、下段より順次上へ花をつけ、一本の花軸に数段輪生して花をつける様子が仏塔の先端にある九輪に見立てて「九輪草」と名づけられた。
多紀連山のクリンソウ群落
・ 出逢い 2007年6月3日 御嶽登山途中(鳳鳴高校9回生同期会)に出逢う
・ 群生地保存活動
2007年08月30日 確認調査第一発見場所下流、扇形に広がる台地に大群落見つかる
五輪塔3基確認 (ささやま自然の森公園樋口清一園長他2名)
2008年02月 「クリンソウ守る会」準備会立ち上げ
2008年04月15日 自生地の測量 4,107㎡と確認(森林組合)
2008年05月15日 クリンソウ満開 現地植生及び個体調査、結果、開花株推定6~7万株
(県立「ひとはく」藤井俊夫研究員 樋口清一代表他3名)
2008年06月08日 「多紀連山のクリンソウを守る会」結成 樋口清一代表以下27名
2008年07月20日 クリンソウ自生地公開発表
2008年09月 県立「ひとはく」(ひょうごのファーブル展)写真パネル出展
2009年05月05日 クリンソウ自生地一般公開開始
2009年05月17日 「多紀連山のクリンソウを守る会」設立総会
・ 会員総数250名(2010年04月現在)
・2009年入山観察者(シーズン)3,000名
クリンソウ(サクラソウ科) 【花言葉】 物思い
薬効 咳や痰に効きます (サクラソウの仲間には、プリミン(Primin)という有毒成分がある)
クリンソウ自生地の貴重性
全国的に絶滅が危惧されているが、兵庫県版レッドリスト2010によると、植物群落(単一群落)で湿地植生タイプのクリンソウはAランクに、植物(維管束植物)はBランクに指定。
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近年クリンソウが増えた理由?
ニホンジカが増えたためと考えられている。クリンソウは、鹿等の不嗜好植物であり食害から免れた、他の植物を食しクリンソウの育つ環境が整った。
クマザサ(ミヤコザサ多紀連山一帯に自生)2007年一斉に花が咲き全滅。
そのため日当たりが良くなりクリンソウが増えた?
結果 笹が枯れて見通しが良くなり発見に繋がった。
この場所にどうしてクリンソウが?
中世多紀連山は、修験道場の山として栄え、クリンソウが発見された台地は「大嶽寺跡」直下の湿地帯であり、5・600年前に薬草として栽培されていたものが今日まで生き残っていたのかも知れない、憶測の域を出ないが往時に想いを馳せるとき夢は大きくふくらむ。
御嶽山系で他にも数ヶ所群生地が見つかっているので、もともと自生していたのは間違いなと思われる。